肺炎

肺炎とは

 最近、肺炎球菌ワクチンがマスコミ等で話題になっています。クリニックでも、ワクチンを接種される方が非常に増えています。今回は高齢者の肺炎についてお話します。

 日本において肺炎は、60歳代から増加し、80歳代が最も多くなります。そして肺炎にかかった人全体の70%が65歳以上です。さらに死亡者数でみると、がん、心臓病、脳卒中に次いで第4位ですが、85歳以上では2位、90歳以上では1位です。つまり肺炎は高齢者が非常にかかりやすく、命にかかわる重大な病気ということです。どうして、高齢者は肺炎になりやすいのでしょうか?それは、加齢による免疫力の低下やもともともっている病気(基礎疾患)の影響で、「肺を感染から守る機能」が働きにくくなっているからです。さらに、また、高齢者は熱が上がりにくく、体の反応も鈍くなるので、発見が遅れることも肺炎が重症化する原因のひとつとなっています。

 肺炎の予防のためには①規則正しい生活②禁煙③誤嚥を防ぐ④口の中を清潔に保つ⑤基礎疾患を治療する ことが大切です。

 肺炎で一番多い病原菌は肺炎球菌です。肺炎球菌は、体の中に日常的に存在する細菌の1つで、体調を崩したりすると、感染への防御機能が衰えて、肺炎が引き起こされます。肺炎球菌ワクチンは肺炎にかかっても重症になるのことを防ぐため、接種が薦められています。1回の接種で5年間効果が持続し、インフルエンザワクチンとの併用により、死亡率が57%も減ったと言われています。

 特に ①65歳以上の方②肺の病気を持っている方③糖尿病の方④養護老人ホームや長期療養施設に居住されている方 に接種が勧められています。